第2部門審議会委員プロフィール
伊藤朝日太郎(いとう あさひたろう)
弁護士。
滋賀県生まれ、同志社大学法学部、早稲田大学大学院法務研究科を経て、2009年12月弁護士登録。特に興味を持って取り組んでいる分野は、家事事件、労働事件、外国人事件。
難民・移住労働者問題キリスト教連絡会運営委員。
夫婦別姓訴訟弁護団、東京朝鮮高校「高校無償化」弁護団、明日の自由を守る若手弁護士会、等に所属。
太田光征(おおた みつまさ)
1994年、広島大学大学院生物圏科学研究科博士前期課程修了。
2007年、中選挙区比例代表併用制を提案(総定数を中選挙区に割り振り、選挙区選挙で無所属の当選を確定させてその他の仮生票・仮死票を確定させず、全国政党・無所属名簿投票(第1希望:政党/無所属、第2希望:政党)の得票数に基づいて各党・選挙区落選無所属に残余議席(総定数-選挙区無所属当選数)を比例配分)。
小澤隆一(おざわ りゅういち)
東京慈恵会医科大学教授。
1959年生まれ。一橋大学法学部卒。静岡大学教授を経て2006年から現職。専攻は憲法学。
著書に『予算議決権の研究』(弘文堂)、『現代日本の法』(法律文化社)、『市民に選挙をとりもどせ!』(大月書店)、『クローズアップ憲法』(法律文化社)、『安倍改憲と自治体』(自治体研究社)、『集団的自衛権容認を批判する』(日本評論社)、『安保関連法総批判』(日本評論社)など。
桂協助(かつら きょうすけ)
1943年長崎県の離島生まれ。東京に出て高校卒。主として流通・サービス業系に従事。20代後半から40代まで生協運動(職員)。その後タクシー運転手などをしながらこの20年民主政治と選挙制度の研究に没頭。
小林五十鈴(こばやし いすず)
参政権運動を継承する共同代表。
1938年兵庫県姫路市生まれ。県立姫路東高校卒、佛教大学東洋史学科卒。
家永教科書検定訴訟杉並地区連事務局。
日本婦人有権者同盟共同代表。国際人権規約完全実施促進連絡会議世話人。
只野雅人(ただの まさひと)
一橋大学教授。
1993年3月、一橋大学法学研究科修了、博士(法学)。
広島修道大学助教授などを経て、現在、一橋大学教授。
主要な著作として、『選挙制度と代表制』(勁草書房、1995年)、『憲法の基本原理から考える』(日本評論社、2006年)、『憲法と議会制度』(共著、法律文化社、2007年)など。
田中久雄(たなか ひさお)
変えよう選挙制度の会代表。
1967年4月に行政管理庁に入庁(後に総務省に統合)。その後、建設省、大蔵省、農水省、参議院事務局に出向。2001年12月に退職後は各種社会活動に参加。
2013年10月に「変えよう選挙制度の会」を立ち上げ活動中。
林克明(はやし まさあき)
フリージャーナリスト。
業界誌、週刊誌記者を経てフリーに。チェチェン戦争、労働問題、国賠訴訟などを取材している。秘密保護法違憲「東京」訴訟の原告のひとり。主書、『チェチェン戦争を忘れるな!』(kindle本)、『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『チェチェン 屈せざる人びと』(岩波書店)ほか。
山口真美(やまぐち なおみ)
弁護士。
2001年10月弁護士登録。東京都立川市の三多摩法律事務所に所属。現在、自由法曹団の本部事務局長、常任幹事。共著に「市民に選挙をとりもどせ」(大月出版)、「これが秘密保護法だ 全条文徹底批判」(合同出版)、「これでいいのか自治体アウトソーシング」(自治体研究社)、ブックレット「国民投票法=改憲手続法の『からくり』」(学習の友社)、ブックレット「比例削減・国会改革だれのため?なんのため?」(学習の友社)など。
第2部門審議会 会議開催一覧(直近のものから並べてあります) *開催日の日付をクリックすると、その会議の議事録・資料に飛びます。 *ニュースペーパー「とりプロなう」で会議の概略をお知らせしています。 |
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開催日 | 回 | 審 議 内 容 | とりプロなう |
'17/09/25 | 第17回 | 衆議院選挙改正案と参議院選挙改正案の大枠確定、最終答申案の検討 | とりプロなう89号 |
'17/08/22 | 第16回 | 衆議院選挙制度案(比例代表制一本化案)と参議院選挙制度案の検討 | とりプロなう86号 |
'17/07/28 | 第15回 | 各委員の選挙制度案の検討(6)、および基準に照らしての各案の検討 | とりプロなう85号 |
'17/06/21 | 第14回 | 各委員の選挙制度案の検討(5)、および海外の諸選挙制度の比較 | とりプロなう82号 |
'17/05/24 | 第13回 | 各委員の選挙制度案の検討(4)、選挙制度の評価基準について | とりプロなう80号 |
'17/04/24 | 第12回 | 各委員の選挙制度案の検討(3)、フランスの2回投票制など海外の選挙制度の検討(2) | とりプロなう77号 |
'17/03/22 | 第11回 | 各委員の選挙制度案の検討(2) | とりプロなう74号 |
'17/02/20 | 第10回 | 各委員の選挙制度案の検討 | とりプロなう71号 |
'16/10/28 | 第9回 | 中間答申準備 | とりプロなう66号 |
'16/09/26 | 第8回 | 中間答申準備 | とりプロなう63号 |
'16/08/18 | 第7回 | 1994年の政治改革 | とりプロなう59号 |
'16/07/22 | 第6回 | 選挙制度の利害得失の論点整理 | とりプロなう56号 |
'16/05/26 | 第5回 | 第3部門審議報告、選挙制度の国際比較 | とりプロなう51号 |
'16/04/21 | 第4回 | 憲法要請から考える衆参選挙制度 | とりプロなう48号 |
'16/03/25 | 第3回 | これまでの審議の論点整理 | とりプロなう45号 |
'16/02/16 | 第2回 | 衆院選挙制度調査会最終答申分析、参院選挙制度の変遷、二院制のあり方 | とりプロなう42号 |
'16/01/21 | 第1回 | 審議すべき課題の選定 | とりプロなう39号 |
2017年5月24日、衆議院第1議員会館第3会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第13回第2部門審議会が開催されました。この日の審議内容は、小澤隆一委員作成の「選挙制度改革案の評価基準案」についてです。
小澤隆一委員
選挙制度改革案の「評価基準」になりうるのは以下の11の点であろう。
その選挙制度において・・・
1)投票する権利、立候補する権利の平等が担保されているか(選挙権の平等性)
2)民意が正確に鏡映しになっているか(代表の正確性)
3)地域、党派、ジェンダー、世代、階級等、多様な代表が選ばれているか(代表の公平性)
4)簡素な制度によって、投票の結果選ばれたという関係が明確となっているか(制度の簡明性)
5)政治算術を生まず、特定党派に有利または不利とならないか(制度の確実性)
6)民主主義の発展に貢献しているか(政治参加の促進性)
7)政策中心の選挙となるか(政策論議の促進性)
8)議員総定数や選挙区の規模は適正か(代表と有権者の近接性)
9)代表の政治責任を問えるものになっているか(代表の有責性)
10)二院制・議院内閣制とかみ合っているか(統治制度との適合性)
11)自由・平等・公平・平和という憲法要請にかみ合っているか(憲法適合性)
7月22日午前10時から12時まで、選挙市民審議会・第6回第2部門審議会が開催されました。冒頭、伊藤朝日太郎委員より、「選挙制度の利害得失の論点整理」がなされ、今回も白熱の議論が展開されました。伊藤委員は、比例代表(少数代表)か多数代表かという「横軸」、候補者本位か政党本位かという「縦軸」を用いて選挙制度を類型化し、さまざまな選挙制度の特徴を座標軸上で論じました。
全体として、「衆議院の選挙制度については比例代表制を中心に考えていくことを中間答申に書き込むこと」が合意されました。中間答申は12月に発表する予定です。