とりプロなう56号

選挙市民審議会・第6回第2部門審議会

7月22日午前10時から12時まで、選挙市民審議会・第6回第2部門審議会が開催されました。冒頭、伊藤朝日太郎委員より、「選挙制度の利害得失の論点整理」がなされ、今回も白熱の議論が展開されました。伊藤委員は、比例代表(少数代表)か多数代表かという「横軸」、候補者本位か政党本位かという「縦軸」を用いて選挙制度を類型化し、さまざまな選挙制度の特徴を座標軸上で論じました。

全体として、「衆議院の選挙制度については比例代表制を中心に考えていくことを中間答申に書き込むこと」が合意されました。中間答申は12月に発表する予定です。

田中久雄委員

現状、果たして政党選挙となっているのか。統治機構においても「二権分立」ではないか。このような政治状況を是正する選挙制度が必要。政治の安定性よりも分散性を。


小林五十鈴委員

小選挙区制度導入から22年が経過した。住民運動が盛んな地域でも投票率が下がった。女性議員が増えない一因でもある。町会組織と一緒に初詣することで議員が票固めするという政治風土も問題。

伊藤朝日太郎委員

比例代表で少数代表が議会に送り込まれた場合、差別発言などが国会審議に持ち込まれる場合もある。小選挙区で過半数の選挙民を説得するということも大切な事柄では。


只野雅人共同代表

民意を測る尺度は政党だけではない。候補者を選ぶ選択肢が多い方が良い。傍聴者からの貴重な意見もあるので大選挙区制度についても中間答申後に扱う。小選挙区制度導入を決めた政治改革の総括も、中間答申に盛り込む。

太田光征委員

選挙制度の性格としては、民意の反映を重んじるべきか、それとも民意の集約か。選挙制度の任務の範囲はどこまでか。政党を育てるというところまで含むのか。


桂協助委員

政党を主たる媒体とした民意の反映が実現する制度改革を望む。比例代表制を採る場合も得票率にハードルを設けて、小党乱立を避けるべき。それにより小党を育てる。


山口真美委員

選挙制度においては民意の反映が肝要。民意を反映した「国民の代表」が国会論戦を通じて、民意を集約する。反映と集約は、二項対立概念ではなく、求められている場面が異なる。


小澤隆一委員

政党を政党らしくする選挙制度。政党の自浄能力を育てる。現状の「非政党政治性」への批判を中間答申にも盛り込みたい。「出処進退は本人次第」とは何ごとか。


城倉啓事務局長

政党や政策によらない民意の反映もありうる。たとえばクオータ制。衆参両院とも比例代表で良いのか。


次回8月18日の第2部門審議会は、「政治改革の総括」を主題に只野共同代表からの発題を受けて審議を行います。また、9月に第2部門としての中間答申素案を審議し、部門決議を10月に行います。

みなさま、ぜひお立ち寄りください。