とりプロなう57号

選挙市民審議会 第7回第1部門審議会

2016年7月25日(月)13:00-15:00、選挙市民審議会の第7回第1部門審議会が衆議院第2議員会館第5会議室にて開催されました。

選挙運動期間中の戸別訪問禁止規定の廃止、世界一高額な供託金制度の廃止という方向性が決議されました。経過措置が必要な場合には別途考慮しますが、改革の大きな方針は共有できています。

第1部門の通奏低音は「自由な選挙」です。

桂協助委員(第2部門)

戸別訪問・対面活動の禁止は常ではない悪しき制約。選挙運動に際して人と人との対面交流は最も効果的な手段、重要な政治参加における行動の自由だ。その禁止が人々の政治活動への関わり方全般に負の影響を及ぼしている。禁止の理由は、買収行為の防止とされているが、およそ見当違い。

戸別訪問の全面自由化を提案する。公選法138条の削除だ。ただし、段階的に、①候補者のみ戸別訪問可能とする、②候補者および支援者の戸別訪問を可能とするなどの経過措置もありうる。

石川公彌子委員

健全なデモクラシーのためには、有為な人材が立候補しやすい制度下で多数の選択肢が用意され、有権者が自由に選択できることが必須。供託金を用意できない政党は、政党の理念・政策を共有していない候補者をも集める以外にないので、空中分解する危険性をはらんでいる。政党政治への信頼性回復のためにも供託金制度改正を。

供託金制度の全廃、つまり公選法92・93・94条の削除が根本提案。ただし、①すべてを十分の一にする、②国政を十分の一・地方議会選挙で全廃、③①と②の中間などの経過措置もありうる。

政党交付金を供託金のために用いることには反対。


小島敏郎委員

戸別訪問について、受ける側の「断る自由」も保証されるべき。この点別の法律で対応できるかも。

供託金をなくせば、何回も挑戦しやすくなる。それによって政党というものが育つ。公営選挙という建前によって、役所が「泡沫候補」を忌避している。

坪郷實委員

戸別訪問自由化に際しての予測は重要だが、「だから自由化しない」とはならない。従来の禁止理由を論破する必要あり。双方向的コミュニケーションを積極的に評価するという論調で。

選挙ポスター掲示を公営で行うことをやめれば良い。石川案は「十分の一」としているが、むしろ「百分の一」が良い。

片木淳共同代表

戸別訪問自由化は1994年の政治改革の最終盤まで実現しそうだった案件。最高裁少数意見も最も有効な選挙運動としている。政治文化を変えるために有効な改革。

文書図画規制の廃止という観点から、公営のポスター掲示をやめて、候補者の自由にさせる。色々な選択肢がある方が有権者にとって良い。

小林幸治委員

戸別訪問全面自由化は組織をもっている候補者に有利に働かないか。買収罰則規定は公選法に残すということが共有できているか確認したい。経過措置も考慮に入れるべき。

供託金廃止に賛成。ただし反論に対する反論も用意したい。代替案提示、乱立への危惧、誰を選ぶべきかわからなくなるなどの意見への対応は。

城倉啓事務局長

供託金没収総額は2013参院選で7.8億円、2014衆院選で11.9億円。雑収入として処理。そこまで大金でもなく、選挙全体を賄っているわけでもない。選挙運動期間を撤廃すれば、誰に投票すべきかは自ずとわかるのでは。


次回は8月23日17:00から、第3部門との合同審議会です。立会演説会の復活について濱野道雄委員(第1部門)、ローカル・マニフェストについて北川正恭委員(第3部門)が発題を担当します。

 

みなさん、ぜひお越し下さい。資料代500円徴収しております。


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