選挙市民審議会第8回第1部門審議会
2016年9月27日(火)17:00-19:10、衆議院第1議員会館第1会議室にて、とりプロ選挙市民審議会第8回第1部門審議会が開催されました。
年末の中間答申作成準備、①電子メールでの選挙運動自由化、②ローカル・マニフェスト頒布自由化、③戸別訪問自由化、④供託金の撤廃または大幅減額の最終案を条文に照らして詰めていきました。
それぞれの改正案の内容については、「議事録・レジメ資料シェルフ」からダウンロードできます。
小林幸治委員(市民がつくる政策調査会事務局長)
①電子メールでの選挙運動の自由化
公職選挙法142条の4第1項で、電子メールでの選挙運動は「候補者・政党に限って送信することができる」としている。これを「候補者・政党以外の者」もできるように改正することを提案する。2013年の同法改正時、電子メール選挙運動についても、次回の国政選挙(2014年12月14日)後検討し、「次々回の国政選挙(2016年7月10日)における解禁について適切な措置が講ぜられるものとする」としていた。しかし未だに適切な措置が講ぜられていない。
②ローカル・マニフェスト頒布自由化
抜本的には、いかなる選挙においてもパンフレット・書籍・ビラ等の作成、頒布(配布)は自由にすることを求め続けたい。今回は目下の改正案として公職選挙法142条の1の第4・5・6・7項に、衆参両議院および自治体首長選挙と同様の規定を置くことを提案する。選管に届け出た1種類のビラを頒布可能とする改正だ。
2017年7月22日に任期満了を迎える東京都議会議員選挙に間に合うよう、法改正を行い準備を進めることを求めたい。
片木淳共同代表(早稲田大学教員・元自治省選挙部長)
③戸別訪問の自由化
戸別訪問の禁止を合憲とする最高裁判例は説得力がない。むしろ、国連の自由権規約委員会から「戸別訪問解禁すべし」と勧告されるほどだ(2008年)。全国町村議会議長会も「選挙の活性化と自由化の観点から戸別訪問解禁」を訴えている(2010年)。欧米諸国でもほとんど禁止されていない。主権者国民が積極的な選挙運動のプレーヤーとなるべきである。公職選挙法138条および239条1項3号の削除を改正案として示す。
④供託金の撤廃または大幅な減額(石川公彌子委員提出)
日本の供託金は世界一高額である。日本の社会が直面する過疎化・少子化・格差拡大・若者や女性の貧困・結婚難などの解決を図るためには、当事者である若者や女性が政策立案の意思決定に加わることが重要である。供託金はそれを阻害している。国際的には供託金も設けない国も多いし、推薦署名人を集めることで代替している国もある。
公職選挙法92・93・94条の削除または、すべての供託金を一律10分の1とする法改正を提案する。
城倉啓(とりプロ事務局長)
2013年当時SNSでの選挙運動が自由とされたにもかかわらず、電子メールは依然禁止とされた理由は、自分から情報を取りに行くか否かが線引きだった。そこへの反論がほしい。
選挙運動期間の撤廃との関係を併せて考える必要がある。一年中選挙運動を含む政治活動ができるとしたら、どの時点から「買収禁止」となるのか。
第2部門の太田光征委員と桂協助委員も陪席し、積極的に審議に加わりました。また、長野県から傍聴にかけつけてくれた方からは、「片木代表の戸別訪問自由化改正案の文章は大変説得的」とのお褒めの言葉をいただきました。
次回10月24日開催の第1部門審議会は、今回資料の説明のみで終わった「公費負担」と、「選挙運動期間撤廃」「立会演説会の復活」の改正案も含めて審議し、中間答申の内容を固めていきます。
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