とりプロなう66号

選挙市民審議会 第9回 第2部門審議会

2016年10月28日(金)10:00-12:00衆議院議員会館会議室にて第9回選挙市民審議会第2部門審議会が開催されました。

前回審議会でも検討された中間答申案の第二案が審議されました。

林克明委員

ジャーナリスト

只野第2案にある、「『身を切る覚悟』が必要であるという観点から定数削減を進めることは論外」との言葉に賛成。「民意の物差しとなるのは通常は政党の得票率」とあるのを、「政党や候補者の得票」と変えてはどうか。

 

桂協助委員

選挙制度研究家

「コンドルセのパラドクス」より、得票と議席の乖離の方がアピール度がある。衆議院選挙制度の場合は「政党中心」という言い方で良い。95%は政党への投票なのだから。世界的にも下院は政党選択選挙。参議院は別途考えるべき。

中間答申の「要旨」作成は自分が担当したい。

山口真美委員

弁護士

只野第2案に賛成。単純な中選挙区制復活はありえない。「身を切る」という言い方は、議員が議席を私物化していることを端的に表現している。議席は主権者国民のもの、代表は代理人に過ぎない。定数の問題にまで踏み込んだ記述が必要。

只野雅人共同代表

一橋大学教員

前回議論の微修正をできるだけ入れた。「今ある制度が違憲なのか」との批判が出ないような工夫が必要。「コンドルセのパラドクス」は一般に馴染みがないので、「個人の選好が絶対多数でも歪む場合がある」ぐらいの記述にしたい。

田中久雄委員

変えよう選挙制度の会代表

歴史の流れから言えば、中選挙区制の批判から小選挙区制が生まれた。小選挙区制への批判は、世界の趨勢的にも比例代表制へと向かうだろう。そこを見据え、最終答申にまでつなげたい。

小澤隆一委員

東京慈恵医科大学・憲法学

違いすぎる定数の問題というよりも、比例代表制を採っていながらその議員数が少なすぎることが問題。全然、比例の理念を実現できない。スペインの地方の県においても類例がある。「ねじれ」は両院の権限関係からくる。参院のせいではない。

太田光征委員

平和への風代表

衆参の「ねじれ」が否定的文脈に置かれていることはいかがか。得票率に見合った制度を言うならば無所属候補に配慮すべき。違いすぎる定数は良くない。ここでは、狭い意味の「一票の格差」という言い方で統一してほしい。

小林五十鈴委員

参政権を継承する共同代表

参院の島根・鳥取、徳島・高知の合区に反対。地域から選ぶことが大事なのに、「一票の格差」議論に締め付けられすぎではないか。投票率の低さは選挙制度の問題だけではなく、選挙運動規制の強さにも原因がある。

城倉啓

とりプロ事務局長

クオータ制について、「制度だけではなく差別意識の問題」と書き込む場合、制度改正の意義が薄まる。制度を変えることによって差別意識も変えられるという論理構成が必要。

企業団体献金廃止については共同代表者会議にはかる予定。語句の説明を施した用語集を中間答申の巻末に付ける予定。


【選挙市民審議会の予定】

 

11月15日(火)18:00ー19:45  第3部門審議会 衆議院第2議員会館第2会議室

11月30日(水)17:00ー19:30  全体審議会   衆議院第2議員会館第4会議室