選挙市民審議会 第10回 第3部門審議会開催
2017年9月11日、衆議院第2議員会館第6会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第10回第3部門審議会が開催されました。
この日の審議内容は、政党助成制度についてです。
三木由希子共同代表
現行政党助成の仕組みを瞥見する。
政党交付金の対象となる政党は、国会議員5人以上を有する政治団体。あるいは、国会議員を有し、国政選挙の比例代表選挙の得票率2%以上の政治団体。
政党交付金の総額は、人口×250円(318億円)。これを国会議員数と国政選挙の得票数に応じて各政党に配分。2017年は、自民党176億円・民進党87億円・公明党31億円・維新10億円等となっている。英国とスウェーデンに類似の制度がある。
10年前にも自民・民主は政党シンクタンクを作ろうとしていたが立ち消えになっている。政策研究への使途制限には反対が出しにくいはず。4条を手直しした上で、新しく条文を起こす必要がある。「政策研究所」が法人格を持つ必要はない。政党交付金の5%以上を政策研究にあてることとするという線で打ち出しては。
女性公認補助金までは今回最終答申には具体案は盛り込めないが、方向性は示せそう。
大山礼子委員
日本の政党交付金が諸外国に比べて多額の税金が使われている実態からみても、その使途にある程度の制限ないし方向づけを与えるべきではないか。
韓国政党法の場合は、①政党シンクタンク(政策研究所)への補助、②女性公認補助金に政党交付金の何割かをあてなくてはいけない。
①補助金を受けている政党は政策研究所を設置し、形状補助金総額の30%以上を政策研究所に配分しなければならない。
②有権者総数×100ウォンの予算を計上し、より多く女性候補者を公認した政党に、より多く配分する。女性公認補助金の使途は女性候補の選挙経費に限定される。なお、障害をもつ人についても同様の補助金制度がある。
使途制限をする場合は、現行政党助成法4条に「但し書き」を加えるのが立法技術としてありうる。政策研究だけではなく、政治教育も盛り込めるか。ドイツは財団を作って青少年に対しての教育をさせている。日本においても、政策研究機関を義務付けないと必ず骨抜きになる。
城倉啓とりプロ事務局長
クオータ制を推進する会の賛同団体でもあるとりプロとしては、女性公認補助金のような仕組みの導入は推し進めたい。
今回の政党助成法改正案は、課題についてはおさえながらも、政策研究への一定割合の使徒制限のみに絞る。政党要件、届出ない(支給されることの拒否)政党への配分金の扱い、人口×250円の妥当性などの諸課題については、第2期以降への積み残しとする。
政党助成法の改正案については、その他の積み残し課題と共に、三木代表に原案作成をお願いしたい。
【今後の選挙市民審議会の予定】
9月25日(月)10:00-12:30 第2部門審議会 衆議院第2議員会館第3会議室
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