とりプロなう89号

選挙市民審議会 第17回 第2部門審議会開催

2017年9月25日、衆議院第2議員会館第3会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第17回第2部門審議会が開催されました。

前回までに衆議院は比例代表制、参議院は大選挙区一票制までが合意されています。

この日、議員総定数や選挙区割り・選挙区定数を審議しつつ、衆議院および参議院改正案の方向性を一つに絞りました。

       桂協助委員
       桂協助委員

 

桂協助委員

 

衆議院の総定数は480議席以上、参議院の総定数は衆議院の三分の二ではどうか。

衆議院の選挙区定数は10議席程度、参議院の選挙区定数は7議席が上限(半数改選で)。半数改選のしばりをゆるめて参議院の選挙区定数を奇数にしても良いのでは。

国政選挙なのだから衆議院は全国集計の調整議席を検討しておいた方が良い。10名以内で政党内部の調整を。

 

 

 

 

 

 

 

         小澤隆一委員
         小澤隆一委員

 

小澤隆一委員

 

衆議院の総定数は600議席、参議院の総定数は300議席ではどうか。根拠は有権者と政治家の近接性。「身を切る改革」のアンチテーゼとして、議員定数増を打ち出すことに意義がある。また、政務三役など政治部門から70-80名の政治家が官僚をコントロールするためには、政府側ではない議員の増員が必要。リザーブにもなる。

衆議院の選挙区割りは現行の11ブロック+沖縄ブロックの12選挙区。選挙区定数としては15名が下限。上限は気にしない。ブロックごとの集計でシンプルに、調整議席は設けない。名簿作成もブロックごと。

参議院の選挙区定数は6名から9名ぐらいでどうか。

 

 

 

 

 

 

         田中久雄委員
         田中久雄委員

 

田中久雄委員

 

衆議院の総定数は現行より増やした方が良い。参議院の総定数は100名が本音のところ。もし全体に増加するなら、議員の給料や政党助成金の減額などをセットにしなければ国民感情からは受け入れられない。

北欧は、立候補と同時に「次の候補者」も同時に決め、もし議員が大臣に任用されたら、「次の候補者」が議員となる。英国は与党の三分の一の議員が各省庁にはりつく。

衆参の選挙区割りは、なるべく類似性の高いものとする。

調整議席は設けない。事実上阻止条項と同じ役割を果たすので。

 

 

 

 

 

 

         太田光征委員
         太田光征委員

 

太田光征委員

 

衆議院の総定数は600議席近く必要。そうすれば各委員会に少数会派も重複することなく委員を配分できる。参議院は現状では少なすぎる。

参議院の7ブロック制(自由法曹団案)は選挙区として大きすぎる。参議院も比例代表にできるのでは。大選挙区は票割りのうまい政党に有利。

衆参の選挙区割りシミュレートを1、11、19、26、37、47と試みた。

ドイツのプーケルスハイムが考案した「2重比例代表制」のような人口比による調整ができるのではないか。次期に継続審議してほしい。

比例代表の名簿のつくり方に一定の基準が必要。政党の裁量だけに委ねず、個人を選べる名簿とすることを条件に。

 

 

 

 

        山口真美委員
        山口真美委員

 

山口真美委員

 

総定数は増やすべき。「身を切る」というのは誰の身を切っているのかと言いたい。

衆議院の総定数は600議席。これで議員一人当たりの人口比が他の先進国並になる。参議院の総定数は衆議院の半分、300議席でどうか。

衆議院の自由法曹団案17ブロックは定数上限を50名としている区割り。下限を上限の倍以内にしてはどうか。現行11ブロックは大きすぎる。

参議院の選挙区定数は6名から10名程度でどうか。自由法曹団案の7選挙区は大きすぎる。

 

 

 

 

 

 

        小林五十鈴委員
        小林五十鈴委員

 

小林五十鈴委員

 

衆議院の総定数は現行よりも増やすべき。定数削減の傾向が、比例定数を減らすことに直結していることに反対。それにより女性議員も増えないし、議員の質の劣化も起こっているのではないか。参議院は専門性の高い議員を選べる制度に。じっくりと6年間とりくんでほしい。

継続審議であった「男女共同参画推進法案」が、解散により廃案となった。総理に解散権限は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

        只野雅人共同代表
        只野雅人共同代表

 

只野雅人共同代表

 

1994年の「政治改革」時点まで巻き戻すのなら、衆議院の総定数は500議席、参議院は250議席。国際比較をすると議会活動の上限は下院600議席以内であろう。そして人口比で10~15万人に一人の下院議員が標準的。

衆議院の選挙区割りはなるべく狭くする必要性と、比例を活かす許容性の間で決めなくては。衆議院の選挙区定数上限は20名から25名の区割りで、沖縄や北海道は例外を認める(5~6名)。

参議院の選挙区定数上限は10名。全国1区は大きすぎる。

 

 

 

 

 

 

 

      城倉啓 とりプロ事務局長
      城倉啓 とりプロ事務局長

 

城倉啓 とりプロ事務局長

 

太田委員のシミュレーションの19選挙区に分けることが、本日の審議の方向性に合致しているように思える。

票割りの巧拙という選挙運動の技術に関することがらは、選挙制度の議論になじまない。

別添チラシ11/20開催の「国際民主制度研究会International Democracy Forum」への各委員のご参加もお願いしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【まとめ】

衆議院:選挙区ブロックごとの比例代表制。総定数は500~600議席。選挙区ブロックを20程度に区割り。選挙区の議員定数は原則15名以上、ただし沖縄・北海道は例外。

参議院:大選挙区一票制(非移譲)。総定数は衆議院の二分の一以上三分の二以下の議席数とする。選挙区の議員定数は6名から10名程度とする。

少数意見として、参議院の総定数を100名にすることや、参議院にも比例代表制を採り入れることがあったこと等を付記する。



  【今後の選挙市民審議会の予定】

   10月25日(水)14:00-16:00 全体審議会 議院議員会館1階102会議室

   11月30日(木)10:00-12:00 全体審議会 (議員会館にて 会議室未定)

   12月14日(木)10:00-12:00 全体審議会 (議員会館にて 会議室未定)