とりプロなう105号

2019年1月29日、第二期選挙市民審議会の第11回目の審議会が開催されました。

この日のテーマは

「憲法改正のための国民投票運動と選挙運動との関係(二回目)」

「請願制度改正」

「統一地方選挙に向けてのアピール案」

でした。

担当は山口真美委員、小林幸治委員、桂協助事務局員です。

 

        山口真美委員
        山口真美委員

 

山口真美委員

 

国民投票運動に対する規制と助成の両面が必要ではないか。スポット・コマーシャル(有料広告)の禁止や、国民投票運動費用の制限、無料広告放送枠の付与について、各国の事情を瞥見する。

スポット・コマーシャルの制限または禁止をしている国(英・仏・スイス・伊・アイルランド・典・葡・韓)。無料広告放送枠の付与制度を充実している国(英・仏・加・伊・蘭・西・ポーランド・スロヴァキア・スロヴェニア・リトアニア・モンテネグロ・伯・コロンビア・アルゼンチン・パナマ・韓)。

欧州評議会の諮問機関・ヴェニス委員会の「憲法国民投票に関するガイドライン」も参考となる。

国民投票運動と選挙運動とは基本的に異なるという視点で報告。憲法は国家レベル。選挙区の範囲を超える。政党だけでも狭い。

イタリアの場合、アウトリタという独立行政機関が国民投票について管理している。

さまざまな市民立法」の中で請願はどのように位置づけられていたのだろうか。

       小林幸治委員
       小林幸治委員

 

小林幸治委員

 

憲法16条が市民に保障している請願権を形骸化させずに内実を備えるための法改正を提言したい。

市民からの請願を精査する「請願小委員会(仮)」を国会内に設置する。委員会は、提案型請願と苦情型請願に区分けし、さらに国会に「採択すべきもの」「採択すべきでないもの」を報告する。採択すべきものの取り扱いについて議員運営委員会は協議し国会に報告する。採択すべきもののうち内閣に送付することが適当と認めるものについて、国会は内閣に送付する。内閣は広く公表する。

上記の提案実現のために、現行請願法・国会法・地方自治法の一部該当箇所を改正したい。

「市民提案法」のような名称の新法を立てる方が良いかも。議員立法を後押しし、国会を強くするという趣旨で。

       桂協助事務局員
       桂協助事務局員

 

桂協助事務局員

 

日本の民主政治の発展を阻害している、現状選挙の異常性を訴え、第一期選挙市民審議会発行の『選挙・政治制度改革に関する答申』の地方選挙に関する改正提言の内容を世に広く知らせたい。

首長選では決選投票の再導入。

都道府県議会・政令指定都市議会選挙では比例代表制への移行。

市区町村議会選挙では複数の候補者に投票できる制度への移行。

       片木淳共同代表
       片木淳共同代表

 

片木淳共同代表

 

選挙運動との違いをもとにしてスポット・コマーシャルの禁止という論理展開で良いか。

拘束型の国民投票で、3択式にすると、「YES」、「NO」以外の選択肢が多数になった場合ぐちゃぐちゃになる危険性。

「請願」という単語が古臭いし、現憲法の価値観にそぐわない。今後の『答申』の国会改革の一環という位置づけか。

アピール案の中では、都道府県に比例代表を入れる理由を書いては。

        田中久雄委員
        田中久雄委員

 

田中久雄委員

 

スポット・コマーシャル禁止に賛成。資金力のある団体が有利になるので。第三者機関の管理が必要となる。

請願制度改正について、国会から内閣への送付は不要では。苦情型請願についてはオンブズマン制度でも対応できるのでは。

    岡﨑晴輝委員(スカイプ参加)
    岡﨑晴輝委員(スカイプ参加)

 

岡﨑晴輝委員(スカイプ)

 

現行国民投票法のどこを変えるかという観点が必要。たとえば抽選で無作為に選んだ人々から改憲項目を聴取することはどうか。

『答申』は議員定数増を謳う。請願小委員会の必要性と関係付けては。

      太田光征事務局員
      太田光征事務局員

 

太田光征事務局員

 

インターネット請願を可能にし、請願されたものを国会の委員会で審議することを義務付けては。

      三木由希子共同代表
      三木由希子共同代表

 

三木由希子共同代表

 

国民投票の対象を決める段階と、国民投票段階と、二つのプロセスがある。前者に抽選制はなじむ。ソーシャル・メディアへの規制はなじまない。議論の場をどうつくるかの提言を。

請願は国会の日程闘争の中で葬られがち。「審議する国会」への改革案と一緒に請願制度改正が訴えられると良い。

アピール案は全体に文体がかたい。一般に分かる言い方で、制度の説明には深入りせずに、簡潔に。

       城倉啓事務局長
       城倉啓事務局長

 

城倉啓事務局長

 

国民投票を二択ではなく三択や複数選べるようにして、決選投票をしていくことはどうか。選択肢の中に主権者の改憲案が盛り込めないか。

今後の進め方として、4月に国民投票法の条文にあたった改正案を山口委員に提示していただく。国会改革についても言及して請願制度改正を『答申』に盛り込む。アピール案については事務局で引き取り、練り直して審議会に再提示する。統一地方選挙直前のタイミングで3月審議会で決議し公表する。



【今後の選挙市民審議会の予定】

 

*2月26日(火)15:00~17:00 国会議員会館内会議室

 罰則規定について(担当:仲道祐樹さん)

 国政選挙と地方議会選挙の積残し課題整理(担当:田中委員・桂協助)

 

*3月12日(火)10:00~12:00 国会議員会館内会議室

 公費負担・政治資金・政党助成作業部会(三代表、小林幸治・坪郷委員+α)

 

*3月18日(月)15:00~17:00 国会議員会館内会議室

 国政選挙と地方議会選挙の積残し課題整理への応答(小澤・小林五十鈴委員)

 罰則規定改正案(坪郷委員)  

 地方議会・首長選挙に関する声明(決議予定、桂協助)