2019年4月22日、第二期選挙市民審議会の第14回目の審議会が開催されました。
この日のテーマは、国民投票法改正案(山口真美委員)と罰則規定改正素案(坪郷實委員)でした。
山口真美委員
国民投票法の改正方向を挙げる。
国民投票広報協議会については、委員構成が多数派議員に偏っているので、賛否のバランスを取ることや外部委員の選任、また議事公開ルールの策定を検討する。
国民投票公報・国民投票広報については、運用基準の作成。
国民投票運動については、有料意見広告禁止・国民投票運動全期間でCMでの勧誘・意見表明禁止。運動費用の上限規制を設ける(英国をモデルに)。公務員による地位利用、組織的多数人買収及び利益誘導罪の構成要件を厳格に。
一般国民の意見表明に要件を定めて助成をする。
改憲原案の内容関連事項についてのルールづくりを行なう。投票環境の向上。
最低投票率あるいは絶対得票率(例えば全有権者の40%の賛成がなければ改正できない等)の規定を設ける。
改憲発議後は、「三分の二」はまっさらになる。少数会派尊重が必要。
運動団体の要件を資金にしているのはイギリスがモデル。
坪郷實委員
国民投票広報協議会の委員に専門家を入れることも。国会議員と同数の専門家。
国政選挙と自治体選挙に関する共通の特別刑法として、選挙関係の犯罪について罰則を規定する。あるいは、国政選挙と自治体選挙に関する罰則規定を別個に設ける。
選挙関係の犯罪類型としては、以下のものに限定する。
(1) 買収及び利益誘導 公職選挙法221条(買収及び利益誘導罪)
(2) 選挙の自由妨害 同225条(選挙の自由妨害)
(3) 投票の秘密侵害 同227条(投票の秘密侵害罪) 同228条(投票干渉罪)
(4) 選挙人名簿の虚偽記載 同236条(詐偽登録、虚偽宣言等) 同237条(詐偽投票及び投票偽造、増減罪)
(5) 不正投票、選挙結果の不正操作 同237条(詐偽投票及び投票偽造、増減罪)
次回の改正案では細かく削ぎ落としたものを提示したい。
片木淳共同代表(議長)
改憲発議までは政党の責任。広報協議会はある程度国会主導では。
山口案の方向で大まかな改正案を。国民投票法制定時の国会の附帯決議(履行されていない部分が多い)についての説明を、改正案の前段に紹介したほうが良い。
罰則規定は公選法と別の法律を新設するのか。その場合の理由は何か。
田中久雄委員
国民投票広報協議会の委員構成が問題。当事者国会議員で良いか。中央選管の選任方法のように、政党推薦や一政党が過半数にならない工夫が必要では。
基本的に山口案に賛成。運動主体を誰にするのか。公選法を援用しての政党/政治団体か。一定の賛同者を得れば届出可能にしては。資金だけが要件で良いか。
小澤隆一委員
改憲発議を三分の二の賛成でした責任を国会は負う。その後の広報は別。議員の二倍・三倍の専門家がいても良い。
罰則規定。「自由な選挙運動に対する妨害」について新たな犯罪類型を考えるのか。
小林五十鈴委員
現状で選管に任せられない。附帯決議についても黙っていては何も国会議員はしてくれない。
政治分野における男女共同参画推進法制定を受けて、今般の統一地方選挙は当落にかかわらず女性候補者たちから「選挙運動がやりやすかった」との声を聴いている。
岡﨑晴輝委員(スカイプ)
広報協議会委員の選任に抽選制はどうか。
絶対得票率40%は説明がつきにくい。50%の方が良いのでは。ボイコット運動が起こらないか。それを防ぐには義務投票制もあるのでは。
太田光征事務局員
国民投票公報に記載する内容として「その他の参考となるべき事項」があり、「その他」に改憲側の恣意的な内容が盛り込まれる余地があると思うが、現時点で想定される内容はあるのか。
罰則規定について、世論調査の公表を削った理由は何か。
城倉啓事務局長
広報協議会の委員構成を政党ごとの得票率に比例按分しては。
【今後の選挙市民審議会の予定】
* 5月9日(木)15:00~17:00 衆議院第2議員会館第3会議室
公費負担・政治資金・政党助成作業部会
* 5月22日(水)16:00~18:00 衆議院第2議員会館第5会議室
罰則規定改正案(坪郷實委員)
請願法改正案(小林幸治委員)・国会改革の視点からの応答(大山礼子委員)
国会・地方議会改革(大山礼子委員)
* 6月18日(火)15:00~17:00 国会議員会館内会議室
まとめ① 選挙制度と選挙運動、罰則、選挙管理実務、議員定数・議員の待遇
* 7月26日(金)13:00~15:00 国会議員会館内会議室
まとめ② 選挙制度と政治のカネ、政党
コメントをお書きください