2019年6月18日、第二期選挙市民審議会の第16回目の審議会が開催されました。
この日のテーマは、罰則規定改正案(坪郷實委員)、選挙管理実務の課題(太田光征事務局員)、目的規定改正・第二期答申の内容(事務局)でした。
坪郷實委員
罰則規定改正案についての前回審議を受けて、第一期答申で打ち出された「選挙運動の自由化」を紹介しつつ、規制廃止後の新たな罰則規定を残す理由を付け加えた。従来複雑で多岐にわたり何が罰になるかがはっきりしなかった。市民の観点からの検討が必要。
選挙管理実務課題と共通の罰則も残している。厳罰化すべきかどうかは要検討。実務の標準的なものを作るとしても、各選管による優れた実務の積み重ねにより全体の水準を上げていくことが重要。海外では郵便投票・記号式投票は一般的。
そもそもの目的規定は国際人権規約Bと憲法21条に基づく議論が必要。
第二期答申の目次立て、「自由と公正のバランス」という小見出しには反対。もっと自由を前に打ち出すべき。市民・国民主権を加えるか。
太田光征事務局員
各選管のまちまちな判断に委ねさせず、総務省に統一的選管事務マニュアルを作成させ、現場で徹底すべき。公正・透明な投開票事務を。
選管・立会人・有権者の投開票不正(白票水増しや、なりすまし投票等)がなくならない中、また選管による不正な投開票事務の検証報告にも不十分な事例があることから、十分に公正・透明な投開票事務が実現するまでの間、投開票不正に対する罰則を強化してはどうか。
片木淳共同代表(議長)
罰則規定については坪郷委員の提案の方向で清書していくことを確認。
選管の何が具体的事実として問題なのかの原因究明とその改善を論ずるべき。厳罰化で防げるか。自由化と矛盾しないか。
第二期答申の目次立てについて、冒頭に公選法改正のための「哲学」がほしい。自由で楽しい選挙に変え、規制を全廃するのはどのような理念に基づくのかを論じるべき。第一期答申でも文書図画の自由化について記述が薄い。
憲法の理念を公職選挙法が歪めている現状。
岡﨑晴輝委員(スカイプ)
地方では町内会の会長が立会人になって見ている場合も多い。改善してほしい。
目的規定に、選挙人の意思表明の自由のみ記されている。もっと広く国民主権のもと、候補者・政党・政治団体も含む「選挙の自由」へ。
石川公彌子委員
選管はよくやっていると思う。悪質な故意の悪事と、故意ではないうっかりとの区分けが必要。選挙公報が配布しきれない自治体があるのは選挙運動期間の短さにある。現状の郵便投票はハードルが高い。
目的規定で国民主権を強調すべき。誰もが当事者であり、民主政治の発展が国民のメリットとなる。
城倉啓事務局長
工程表8月の議題に、選管実務改善案も入れる(担当太田)。
今後の展望に「国会改革」「主権者教育」「選管実務」を加える。
原案執筆担当を以下の方々にお願いする。選挙運動期間撤廃と必要最低限の選挙手続き、「立候補後選挙活動」費用の上限規制と公費負担、請願法改正:小林幸治委員。必要最低限の罰則規定:坪郷實委員。政党助成法改正:三木由希子代表。国民投票法改正:山口真美委員。抽選制導入の可能性:岡﨑晴輝委員。その他の改正原案については今後検討する。
傍聴者A
市民に対する政治的教養の教育が必要。出口調査の公表がなぜ罰せられるのか。政党助成法は悪法だと思う。参政権の規定については盛り込むべき。
傍聴者B
選管をまったく信用していない。選管の任用はどのような仕組みか。
傍聴者C
民度の劣化が問われている。国民主権の中身は、主権者一人ひとりの行動にかかっている。選挙市民審議会のような活動に多くの人が携わるべき。
【今後の選挙市民審議会の予定】
* 7月5日(金)14:00~16:00 共同代表者会議 非公開
* 7月26日(金)13:00~15:00 国会議員会館内会議室
まとめ② 「立候補後選挙活動」費用の上限と公費負担、政党助成法
東京青年会議所主催の参院選前公開討論会にとりプロも共催し登壇します。
6月30日(日)13:30-16:00、恵比寿ガーデンプレイスにお集まりください。入場無料です。
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