2019年7月26日、第二期選挙市民審議会の第17回目の審議会が開催されました。
この日のテーマは、選挙公営制度と選挙運動規制、選挙公報をめぐる問題(共に片木淳共同代表)、第二期答申の内容(事務局)でした。
片木淳共同代表
1925年「男子普通選挙法」の成立によって選挙公営が導入。その時には選挙運動規制との関連はなかった。その後、「公営の選挙運動以外はすべきでない」(選挙公営論)という規制強化の根拠となる。候補者以外の人々の選挙の自由を軽視している。現行公選法が引き継いだ課題だ。「普通の人を締め出す」選挙活動となっている。
新しい「市民参加の選挙法」を制定したい。それは憲法21条「表現の自由」に立脚したものだ。そして憲法43条1項「全国民の代表」を社会学的な代表の意味も含むと理解し、多様な有権者の意思を議会に公正かつ忠実に反映させたい。
選挙公報も選挙公営の一部だ。ただし自治体の規模に従って実施にばらつきがある。無投票の場合配付されないことや、期日前投票に間に合わない場合があること、さらにインターネット上の公開が選挙運動期間のみに限られているなどの課題がある。
只野雅人共同代表(議長)
今までの流れから自由な運動に軸足を置いた答申の書きぶりにする。その際に平等な機会の保障、下支えをどのようにすべきか。立候補の届出と投票の間隔は現行より長めになる。より長い期間を支える場合に公費の負担も増える。新聞広告については、国民投票のCM規制との関係もある。
個別の改正案の締切は9月審議会までとする。総論的な改正案の締切は10月審議会までとする。
田中久雄委員
選挙公営の改善点は何か。選管が実施するポスター掲示場の設置や選挙公報の発行以外は全部削除しても良いのではないか。公費で負担する選挙費用は大枠で把握し、使い道は自由。
11月・12月は月二回審議会を行うなどの工夫をしなくては間に合わないかもしれない。
岡﨑晴輝委員(スカイプ)
供託金制度廃止は賛成だが、一定の署名人を集めることを立候補の要件にすることを二期答申に残しても良いのでは。候補者が乱立した場合に公営選挙の費用が多くなることへの対処として。
城倉啓事務局長
第一期答申との関係で選挙公営を抜本的に見直せないか。ポスター掲示場の設置に2.2億円かかるとの報道もあった。その割に貼りきれない候補者もいる。下支えになっていないのでは。
第一期答申で義務的立会演説会再導入と、第三者による公開討論会の自由化を訴えている。
傍聴者A
緻密な議論に尊敬するが、選挙市民審議会の知名度が低い。ロビイングなどを通じて現実の選挙制度改正につながる運動をもっと。
傍聴者B
立候補の経験あり。掲示板は多すぎて貼るのが大変。署名も立候補の自由を弱める。供託金没収の恐れもあり、お金持ち有利な現行制度を変えたい。
【今後の選挙市民審議会の予定】
* 8月26日(月)10:00~12:00 国会議員会館内会議室
* 9月24日(火)14:00~16:00 国会議員会館内会議室
* 10月17日(木)14:00~16:00 国会議員会館内会議室
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