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【公職選挙法および関連法の改正に関する公開質問状】
公正・平等な選挙改革にとりくむプロジェクト(とりプロ)では、2015年11月30日より2期4年にわたり選挙市民審議会を開催し、2017年と2019年に2冊の『選挙・政治制度改革に関する答申』を公表しています。2017年答申については、当時の国会議員すべてに配布いたしました。
とりプロは2016年5月25日、同年の参議院選挙を前に、「選挙市民審議会見解」を発表しましたが、その中で「21世紀の普選運動」を提起しています。
この表現は、いまだに日本では「普通選挙」が実現しているとはいえないという認識に基づいています。1925年に25歳以上の男子だけの普通選挙が実現したものの、それと抱き合わせで財産差別としての高額供託金制度を設けたり、戸別訪問を禁止したりするなど、参政権を実質的にごく一部の主権者に制限し、それが現在まで引き継がれている現状があるからです。憲法前文に照らせば、「正当な選挙」が実現していないということになります。
そのため私たちは、「公職選挙法」を直ちに抜本改正する必要があると考え、それに代わる「新市民選挙法」を提案させていただきました。
本年7月の参議院選挙でも公職選挙法および関連法の改正が重要な争点になるべきであると考えます。そこで、答申の結論を要約した「自由で楽しい選挙をめざして『選挙・政治制度改革に関する答申』(選挙市民審議会 2017・2019)簡単ガイド」を基に、公開質問状を送らせていただきます。
質問1:選挙運動と政治活動を限定的にしか認めない原則禁止という考え方から原則自由に切り替えることに賛成ですか(選挙運動期間とその間の選挙運動・政治活動規制を撤廃する。ただし、選挙資金の不平等による影響を避けるため、投票日前の相当期間を選挙費用総額規制等期間とし、選挙費用の費目9種類を明示した上で選挙費用総額規制を設けるとともに、選挙費用の一部公費補助を継続する。立会演説会を復活させる)
( )選挙運動と政治活動を限定的にしか認めない
( )原則自由に切り替えることに賛成
( )その他
質問2:世界一高額の選挙供託金(比例区で最大600万円)の廃止に賛成ですか。
( )選挙供託金の廃止に賛成
( )選挙供託金の廃止に反対
( )その他
質問3:立候補年齢を投票年齢の18歳に合わせることに賛成ですか(現在、参議院議員・知事の被選挙権年齢は30歳、衆議院議員・地方議会議員・知事以外の首長の被選挙権年齢は25歳)。
( )立候補年齢を投票年齢の18歳に合わせることに賛成
( )立候補年齢を投票年齢の18歳に合わせることに反対
( )その他
質問4:立候補休暇・復職保障制度の創設、公務員の立候補制限(議員との兼職制限)の廃止に賛成ですか(ただし、国家公務員と国会議員との兼職、地方公務員とその所属する地方自治体の議会の議員との兼職については、立法と行政の権力分立、特に、地方自治体における「二元代表制」の理念等との関係から、兼職を認める職員の範囲等そのあり方について検討する必要がある)。
( )立候補休暇・復職保障制度の創設、公務員の立候補制限(議員との兼職制限)の廃止に賛成
( )立候補休暇・復職保障制度の創設、公務員の立候補制限(議員との兼職制限)の廃止に反対
( )その他
質問5:障がいをもつ人の参政権保障に賛成ですか(投票所の利便性や投票制度の改善、バリアフリー、記号式投票用紙、点字版選挙公報など「知る権利」の保障、手話通訳など立候補者や議員の活動の支援など)。
( )障がいをもつ人の参政権保障に賛成
( )障がいをもつ人の参政権保障に反対
( )その他
質問6:移住者・ホームレスの参政権保障に賛成ですか(住所の認定について、客観的居住の事実よりも居住者の主観的居住意思を尊重する。国政選挙では「3 カ月の住民基本台帳の記載要件」、地方選挙では「3 カ月の住所要件」を削除する)。
( )移住者・ホームレスの参政権保障に賛成
( )移住者・ホームレスの参政権保障に反対
( )その他
質問7:日本国籍をもたない人の参政権保障に賛成ですか(特別永住者に日本国籍を持つ人と同等の参政権を保障する。一定の要件を課した上で定住外国人(永住市民)が投票できるようにする。条例により地方自治体は、定住外国人(永住市民)に立候補する権利を付与することができるようにする)。
( )日本国籍をもたない人の参政権保障に賛成
( )日本国籍をもたない人の参政権保障に反対
( )その他
質問8:衆議院選挙制度のブロック式比例代表制への一本化に賛成ですか(議員定数を500~600に増加。全国を20程度のブロックに分けてブロック選挙区ごとの比例代表制。選挙区定数は15議席以上。非拘束名簿式。議席配分はヘア方式。死票の減少、投票価値の平等、政党支持率と議席配分の一致が見込める。現行は465議席、小選挙区・比例代表並立制、拘束名簿式、ドント方式)。
( )衆議院選挙制度のブロック式比例代表制への一本化に賛成
( )衆議院選挙制度のブロック式比例代表制への一本化に反対
( )その他
質問9:参議院選挙制度の大選挙区制への一本化に賛成ですか(議員定数を250~300に増加。大選挙区の単記制または2名連記制。選挙区数は15から20程度、選挙区の改選定数を6から10程度とする。政党の選択よりも「人」の選択に重点をおいた選挙へ。現行は248議席、比例代表・大中小選挙区並立制、非拘束名簿式)。
( )参議院選挙制度の大選挙区制への一本化に賛成
( )参議院選挙制度の大選挙区制への一本化に反対
( )その他
質問10:首長選挙における決選投票の再導入に賛成ですか(第一回投票で過半数の得票に達する候補者がいない場合に、上位2名による決選投票を行う。第二回投票で過半数を獲得した候補者を当選させる。死票の減少、立候補控えの減少、有権者の政治参与の促進が見込める)。
( )首長選挙における決選投票の再導入に賛成
( )首長選挙における決選投票の再導入に反対
( )その他
質問11:都道府県議会・政令市議会における比例代表制の導入に賛成ですか(選挙区の数、名簿方式、議席配分方式等詳細については未定。死票の減少、投票価値の平等、政党支持率と議席配分の一致等が見込める。現行は大中小選挙区混在(選挙区定数1から18まで))。
( )都道府県議会・政令市議会における比例代表制の導入に賛成
( )都道府県議会・政令市議会における比例代表制の導入に反対
( )その他
質問12:市区町村議会における大選挙区制限連記制の導入に賛成ですか(自治体の規模・議席数に応じて、2名から5名までの候補者に連記投票できるようにする。基礎自治体における政党化 / 政策グループ化の促進、議員の多様性の確保等が見込める。現行は大選挙区単記制(選挙区定数6から50まで))。
( )市区町村議会における大選挙区制限連記制の導入に賛成
( )市区町村議会における大選挙区制限連記制の導入に反対
( )その他
質問13:政党助成法の改正に賛成ですか(現行政党交付金の一部を地域政党に交付する。また政党交付金の15%を政策研究費とし、政策研究組織を設置してその運用費用に充てる。現行政党交付金の一部を、女性・マイノリティグループの候補者を一定割合以上にした政党への助成に、割り当てる)。
( )政党助成法の改正に賛成
( )政党助成法の改正に反対
( )その他
質問14:政治資金規正法の改正に賛成ですか(企業・団体による政治献金を全面禁止する。政治資金パーティーの収益も政治家への寄附(政治献金)とみなす)。
( )政治資金規正法の改正に賛成
( )政治資金規正法の改正に反対
( )その他
質問15:主権者教育の一層の推進に賛成ですか(教育現場における「政治的中立」という縛りを見直す。知識習得だけでなく、対立する現実の政治的テーマについての討論に、教育の重点をずらす。現場の教員に広い裁量を与え教材研究を蓄積し共有する)。
( )主権者教育の一層の推進に賛成
( )主権者教育の一層の推進に反対
( )その他
質問16:請願法の改正に賛成ですか(市民からの立法提案と行政監視の機能を強化する。そのために各議院に「請願小委員会(仮)」を設置する。措置すべきとした請願について、内閣は請願の処理経過を報告・公表することを義務づける)。
( )請願法の改正に賛成
( )請願法の改正に反対
( )その他
質問17:国民投票法の改正に賛成ですか(有料意見広告の全面禁止。「放送通信分野の規則に関する独立行政機関」を設立し、国民投票に関する報道・意見広告等について監督・是正する。一般市民がテレビ・ラジオ・新聞などにより無料で意見表明できる機会を保障する)。
( )国民投票法の改正に賛成
( )国民投票法の改正に反対
( )その他
質問18:抽選制議会に賛成ですか(民意を正確に反映させるツールとして、くじ引きを選挙に組み合わせる。勧告権を持つ「抽選制市民会議(仮)」を自治体議会に付設し、市民の意見を吸い上げる。国政の比例代表制選挙で政党等のほか抽選リストを選べるようにする。あるいは例えば投票率40%の場合、棄権票 60%分の議席数を、抽選によって選ばれた市民に割り当てる)。
( )抽選制議会に賛成
( )抽選制議会に反対
( )その他
(以上)
とりプロが協力した2020年東京都知事選挙の立候補者による討論会「ネット討論会2.5」(主催:畠山理仁チャンネル)の文字起こしを公開します。候補者による選挙制度についての疑問についても討論されています。